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お日さまニコニコ毎日前進![34]

エッセイスト 櫻井 ひろみ

「まだ愛していますか?」に揺れる男と女、今昔

「結婚生活? 一言で我慢、我慢。我慢の連続/夢は叶ったら、あとは日常があるのみ!/王子様に選ばれ宮殿に入っていったシンデレラも、あとは日常が待つのみ!/夢から覚めたシンデレラは、そのあとどんな生活を送ったのでしょうか…/王子の浮気、暴力、妬み、嫉妬…いろいろ待っているかもしれない/それでも、あなたは結婚しますか?」

こんな、結婚カウンセリングを聞きました。夢におぼれず、現実もしっかり見据えた結婚のスタートを促すための語り掛けと思いますが、「それでも、あなたは結婚しますか?」の問いかけも、あばたもえくぼモードの二人には、なかなか届かないのかもしれません。

「結婚」…誰もが幸せを願っての人生の第2ステージですが、その後の人生は「羅針盤なき航海」「筋書きのないドラマ」にたとえられるように、決して夢見るシンデレラのままでいることは難しいのが現実です。見合い結婚よりも、熱々の恋愛結婚のほうが圧倒的に離婚に向かう確率が高いのも事実です。結婚後、「えくぼもあばた」になるとき、どう克服したらいいのか…そんな心の筋力の訓練も必要なのかもしれません。

「まだ愛していますか?」

配偶者のことを愛している?
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なんとも言えない問いかけですね。「まだ」には、以前よりはどんどん「好き度」が下がってきている現実と、これからもどんどん下がっていって、いつの日かプッツンして「嫌い」の言葉が口からこぼれ落ちてくる日が近づいているということでしょう。

図1はブライダル総研が実施した「夫婦関係調査2011」の調査結果です。結婚後「相手を愛していますか?」の問いかけに二者択一で答えた結果です。このグラフには結婚の悲しい(?)現実が見え隠れしています。

①夢叶った結婚後、日常に入れば時間と共に「愛は確実に冷めて」くる②「愛している」の回答は、何歳になっても男性のほうが高い③結婚10年から20年を超えると、急に男女差は大きくなり、男性の「愛している」度が上昇する。

なにやら、晩年の哀愁漂う男性の後ろ姿が目に浮かびますが、この数字にはもっと悲劇が隠されています。例えば、女性の「愛している」の回答が53.4%(11〜20年)あったとしても、相思相愛が53.4%いるわけではありません。妻が愛していると思っていても、夫がそうとは限らないからです。片思いカップルも多数含まれていることも考えれば、現実はもっと下がることになります。

結婚20年ということは、昨今の初婚平均年齢を30歳と考えると50歳前後となります。浮気していた夫たちも定年後を徐々に考え始めると、目の前の妻頼みの気持ちが芽生え、やっぱりお前を一番「愛している」の回答となって表れているのかもしれません。晩年の数値の差は都合のいい男たちへのしっぺ返しの表れなのかもしれません?

夫婦円満の秘訣はコミュニケーション

1か月にコミュニケーションをとる回数
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ブライダル総研は「夫婦関係調査2017」として、夫婦関係の満足状況別にみた「日常的なコミュニケーションの量」の調査を行いました。(図2参照)

夫婦関係の満足状況別に、1か月に「1時間以上の夫婦二人での会話」を行う回数をみると、夫婦関係に満足している人は、そうでない人の3.7倍も回数が多いです。

調査項目は

  • 1時間以上の夫婦ふたりでの会話(満足/
  • 不満足:3・7倍)
  • 配偶者に「ありがとう」と感謝の気持ちを
  • 伝える(同:3・1倍)
  • 夫婦二人で、仕事の後や休日に一緒に遊ん
  • だり、趣味を楽しむ(同:2・7倍)
  • 夫婦二人で外食を楽しむ(同:2・7倍)
  • 一時間以上の家族との対話(同:2・6倍)

夫婦関係に「満足している」夫婦と、「満足していない」夫婦のギャップはあまりにも大きいことがわかります。「会話をする」「感謝を伝える」「食事をする」…こんな小さな日常を継続していくことが、晩年に至っても夫婦円満・相思相愛の秘訣なのでしょう。「会話」も「ありがとう」を言うことにも、お金は1円も必要ありません。必要なのは継続した「努力」のみです。

きっと、新婚初期は普通にしてきたことでしょうが、いつしかマンネリ化と惰性の結婚生活に入っているとしたら、たった一度の人生があまりにもさみしいですね。

「好きでもないけど嫌いでもないし…特に別れる理由も見つかりません」というカップルが多いのかもしれません。それなら、お金のかからないコミュニケーションに少しでも取り組んでみてはいかがでしょうか?「ありがとう」の一言を口にするには1秒で十分です。1日8万6400秒もあるのですから、1秒を幸せのために投資してみてはいかがでしょう?

結婚20年を過ぎた男性のV字曲線のように、女性もV字曲線で共に人生を添い遂げることができるかもしれません。夢が叶った後も、幸せであり続けるために…。